COLUMN コラム

02.宇和島市吉田町奥南 奥谷篤巳さん(1)

 

果実の成長や自然の営みを愛でる
みかん栽培に「ハマった」若き農家

宇和島湾に囲まれた、養殖と柑橘栽培の町、宇和島市吉田町奥南(おくな)地区。ここでみかん農家の次男として育った奥谷篤巳さん。みかん栽培を軸に地域を盛り上げる活動など、様々なアイデアで精力的に活動をしている奥谷さんのお話を紹介します。

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—奥谷さんは、いつからみかん農家を志したのですか。

両親がみかん農家をしていましたが、僕は次男ですし学生時代は農家を継ぐことは考えもしませんでした。高校を卒業して都会へ出てみたのですが、しばらく暮らしてみると、なんだか肌に合わない…。実家に戻ってきて、家の手伝いから始めました。

—お手伝いから「就農したい」と思うに至った理由はありますか。

手伝いをしているうちにみかん栽培に「ハマった」んですね。山や自然が身近にあるというのは本当に学びも多いし、花の香りや虫の飛来、果実の膨らみなど季節ごとの変化や成長が嬉しくて。

—今、育てているのはどんな品種でしょう。

温州みかん、はれひめ、ポンカン、はるか、せとか。紅まどんなも植えていますが、出荷できるようになるのはまだ先です。あとレモンですね。

—栽培方法へのこだわりはありますか。

有機質の肥料に切り替えたり、一部では無農薬にも挑戦しています。無農薬は見た目を綺麗に作ろうと思うと手間もかかりますし難しいですが、味はあまり変わりません。特にレモンは無農薬というと、とても印象がいいですね。お客さんは思ったより見た目のことを言わないし、時代が変わってきたのかな、と感じます。

—特に力を入れている品種はありますか。

全体的に力を入れてはいますが、個人的には、はれひめが可愛くて。12月の贈答用に最近は紅まどんなの印象が強いですが、はれひめ特有のフレッシュな香りと剥いて食べやすい感じが僕は好きです。とはいえ、紅まどんなにも最近挑戦していますが(笑)。

—苗木を植えて出荷できるまでにどのぐらいの時間がかかるのですか。

2,3年目には実が成るんですが、最初はそんなに美味しくできないんですよね。出荷できるようになるのにだいたい10年ぐらいでしょうか。子どもが大きくなって、その子がさらに子を産めるようになるまでにはやっぱりそのぐらいかかりますね。

—そんなに時間がかかるとは驚きです。次世代を考えながら取り組まれているのですね。

そうですね、少しずつ。まだまだ父には及びませんが。農に携わって、実の成長過程とか、うっすら黄色がさしていく感じとかワクワクするんですよね。それを毎年味わえるというのは、いい仕事だなと思うんです。子どもが生まれてから特に、子どもたちの成長と重ねる部分もあって、感慨深いです。

(2)へ続く

取材・文 清水淳子(ジャンボ編集室)